小田篤史の綱島散歩-歴史編-

僕は21歳から35歳の今まで『綱島』という街に住み続けている。

街にとってみたら、15年という時間は、一瞬の時間なのかもしれない。

でも、35歳の僕にとっての15年は長い・・。

街にとっての15年は短くても、ふり返ってみると街も少しづつ変わり続けている。

無くなってしまった店があって、新しくできた店もある。

僕個人の人生だって変化していく。

なくしたもの、得たもの、どちらもある。

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僕が綱島と関わっている15年の間、

綱島という街に、変わらずにどーんとそこにあり続けてきたのが『綱島温泉東京園』だった。

中に入ってみれば誰でも実感できるその異空間の感覚。

綱島温泉をwikipediaで調べてみると・・・。

戦前・戦後は、“東京の奥座敷”と呼ばれ大きな温泉街であったが、現在は数軒の日帰り入浴施設や温泉銭湯が残り、その名残を止めている程度である。

かつては約80軒もの宿泊施設があり、東京近郊の温泉地としてにぎわいをみせていたが、時代の変化に伴い廃業が相次いだ。特に1964年に東海道新幹線が開業したことにより、熱海や箱根、伊豆などへ日帰りで行けるようになったことが追い討ちをかけ、最後まで残った横浜市教職員互助会「浜京」も2008年3月15日をもって閉館・解体され、宿泊施設はなくなった。
一方、その他の温泉施設としては現在でも綱島街道沿いにある日帰り入浴施設「綱島温泉東京園」や銭湯の「富士乃湯」及び「大平館」が営業を行っている。

とあって、戦前、戦後の時代は温泉宿泊施設にあふれた街だったらしい。

文字としてしか知ることができなくなってしまった、

綱島から消えて行ったものを東京園に行くことで知ることができるのかもしれない。

そしてそれは、東京園の周りをぐるっと1周するだけでも、もっと味わうことができる。

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東京園の裏手に回ってみると、鶴見川沿いにゴルフ練習場の「ピーチゴルフセンター」が見えてくる。

この「ピーチ」という名前。

実際に道路を挟んで向かいには小さな桃園(桃畑)がある。

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今までは、気にも留めなかったその名前。

『綱島散歩』ということで、いつもより少しゆっくり歩いて見る。

そんな風にいつもと違う速度で歩いて見ると、知らないことに出会える。

桃園のところに出ている看板。

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普段なら見過ごして気づかない看板。

実際に奥へ進んでみると、古いお屋敷が出現する。

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温泉地として栄える前からあったのかもしれないそのお屋敷。

僕よりも、東京園よりもずっと前から変わっていく綱島を見ていたのだと思う。

そこは、桃を綱島の土地に持ってきた池谷道太郎さんのお宅。

(綱島という土地は、かつて岡山と並ぶぐらいの桃の名産地だったそうです。)

毎日の行ったり来たりの生活の中で、埋れてしまう、街の魅力。

温泉の香りがする前に、綱島っていう街は桃の香りがしてたのかもなぁと思う。

今でも桃の収穫できる季節限定で、桃を使った地ビールが売られているそうです。

その年の、収穫できた桃の分だけしか作ることが出来ない地ビール。

機会があったら味わってみてください。

(今回は入手することが出来ず!!)

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さらにぐるっとまわりこんでいくと「きよ水」旅館さんが出てくる。

今でも営業しているこの旅館。

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きっとこういう旅館がたくさんあったのだなぁと想像できる唯一の場所かもしれない⁈

遠方から来る方は、「きよ水」さんに泊まるのも楽しいと思う。

wikipediaをさらに見てみると・・・。

戦中は一時下火となったが、戦後、温泉街・芸者街(花街)として復活し、観光目的や湯治目的の他に、接待目的のいわゆる「社用族」の利用が多く、東京の奥座敷や関東の有馬温泉などとも呼ばれ、アメリカ兵の特殊慰安所としても機能したようである。また性行為目的の「連れ込み宿」(平屋建ての離れ形式が多かった)も立ち並んでいた。

そんな情報も出てくる。

気にしてなかったけど、大きな駅でもないのに、確かにラブホテルは多いかもしれない。

自分にとっての当たり前が、改めて身の回りを見てみると、

不思議なもので溢れていたことに今更気づかされる。

ゆっくり歩いてみると、少しづつだけどその街の色が見えて来る。

新しくできていく建物、お店を見るのは楽しい。

ただその裏側に、綱島っていう街には、温泉の香りもあって、桃の甘い香りもあって、芸者さん達の華やかな香りもあった。

時々でも立ち止まって、そこにあったものに想いを巡らすと、そこには見えないモノが見えてくるんだなぁと思う。

こうして、東京園の周りを一周しただけだけでも、見えてくる風景がそこにはある。

今度のスペシャルライブ。

変わらずに同じ場所にあり続ける綱島温泉東京園。

まだ見ぬ先へ変わり続けていくロクディムのパフォーマンス。

その2つが交わったとき、どんな面白さが生まれるんだろう?

そんなことを改めて感じることのできた『綱島散歩』だった。

皆さんもライブ前にいかがでしょう?

体が冷えたら、温泉とロクディムが暖かく出迎えてくれるはず・・。

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