自分が信じられなくなる

先日の宮城大崎市ツアー。

吉野作造記念館にて満員御礼の中、良い時間を過ごしました。

その前日のこと。

山元町子供センターで親子・中高生を対象にしたワークショップ。

夜はLIVE。という三本立てだったんですね。

で、午前のワークショップが終わり、昼ごはん時。

近くにあるラーメン屋にりょーちん、小田篤史、名古屋淳、LEEさん。

ちょっと歩いた寿司屋に渡猛、カタヨセヒロシで分かれて行ったのです。

ワタリ達はお目当ての寿司屋が昼は予約制ということで行けず、駅まで戻ってお弁当を食べる。

色々話ながら、会場に戻る。

すでにラーメングループは楽屋でまったり。

ワタリも次のワークショップまでまったりしよ〜なんて思っていた矢先のことです。

小田篤史が、見たこともないような顔でワタリに向き合い、話し始めたのです。

アツシ「あのさ」

ワタリ「うん?」

この時の顔、声のトーンから、容易に「いつものおふざけじゃない」ということはわかります。

でもなにかはわかりません。もしかしたら高度なレベルでの新しい「おふざけ」かもしれません。

はて・・?と思いながらアツシに向き合います。

アツシ「この間の名古屋ツアーの時にさ」
ワタリ「うん」
アツシ「皆、名古屋淳の家に泊まったでしょ」
ワタリ「・・うん」

空気はどんどん重くなり、周りにいるメンバーもこちらに顔を向けず、でも意識ははっきりとこっちに向けていて、、、。・・え?これは・・・?

怒られるやつや。

100%怒られるやつや。

雑談読者なら知っていると思いますが、今までだってアツシに怒られることはありましたよ。

でも今回はちょっと違う。

アツシの空気はいつもの「タケシくん〜!ダメだね〜」というようなライトな感じでない。

もっと重い、なんていうか責任感というか、正義感のような・・・。あれ、すごいザワツイてる!!

アツシ「でさ、最終日の夜、LIVE終わって打ち上げして、LEEさんはそのままバスで帰って、で、その後さ・・」

やばい!なんだか分からないけど、超ヤバイ!大き目の攻撃がくる!!

アツシ「残ったメンバーで、淳家に帰ったじゃん」
ワタリ「ちょっとまって」
アツシ「うん?」
ワタリ「やめよっか。よくわかんないけど、この会話もういいよ」

そこで皆、笑いました。

張り詰めかけた空気が少し和らぎました。

これがワタリの魔法。場を和らげる呪文「ラフ!」

アツシ「すごいね。よくわかったね」
ワタリ「はははは。なんかね」
アツシ「でね」
ワタリ「!!!!!」

ラフ!はアツシに効かない!

彼は話をやめませんでした。

そしてそのあと、小田篤史の口から語られた話はワタリの想像を超えた、概念を覆すものでした。

この話はさっきラーメン屋に行った時に、りょーちんが

「実はね・・・皆になかなか言えなかったんだけど・・」

と、ぽつりぽつりと語りだした話です。

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名古屋ツアーの打ち上げが終わり、したたかに酔ったロクディムたち。

りょーちんは下戸なのでシラフ。

名古屋淳家に帰っても、LIVEの熱が覚めやらず、また語り合うロクディム。

りょーちんは次の日、別行動で大阪に行かなくてはいけないし、皆は車で東京に戻る。

なのに楽しくてギリギリまで話す。

ワタリはビールをさらに飲む。

楽しい時間はあっという間。

あと1時間くらいしか寝れないという段になってようやく皆、就寝。

布団の並びは
(窓際)ヒロシ、ワタリ、(いなくなったLEEさんの布団一枚分のスペース空けて)りょーちん、アツシ(玄関)の順番。

電気が消えて、さっきまでの笑い声も消えて、静寂が訪れる。

数分後。

うつらうつらし始めたりょーちんの

身体が

急に動いた。

りょーちん「????!!!」

次の瞬間、動いているのは自分じゃなく自分が寝ている布団がすごいスピードで動いていることに気づく。

動いている方向はワタリ側。

そうです。

ワタリがりょーちんの布団を掴み、ものすごいチカラで引っ張っているのです。

あまりの怖さに目を開けるりょーちん。

でも目を開けても暗闇。

ワタリがどんな顔でやっているのか判断できません。りょーちんはより恐怖を感じます。

次の瞬間。

りょーちん「えっっっ」

と声を出す間もなく、

りょーちんは思いっきりワタリに抱きしめられました。

足も絡んできました。

あっという間に、りょーちんとワタリの間には隙間がなくなります。

まわりのロクディムは気づいてない。

暗闇。

感じるのはワタリの温度だけ。

これは冗談ではない。なにがなにやら分からないけど、

ガチだ。ガチなんだ。

なんとかしなきゃ。なんとかこの状況を脱しなきゃ。

でも身体が言うことをきかない。自分の身体じゃないみたい。

でもこのままだと。キスとかされてしまうんじゃないか。

誰も見てないのに?

暗闇の中で?いや見られてもダメだ!

りょーちんは固くなった身体を、動かし、か細い声で

「・・・たけちゃん・・・たけちゃんっ」

と囁きました。

するとワタリはさっと離れ、それと同時にりょーちんもワタリに背を向けた状態になり、

寝たんだか寝てないんだか分からない状態で朝を迎え、一人誰にも気づかれずになぜか足早に出ていったというのです。

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そして現在。

アツシ「その話を一週間、誰にも言えずにいてだよ。で、今日ぽつりぽつりと話してくれたんだ」

ワタリ「・・・」

ワタリはりょーちんを見た。

りょーちんは

ひたすら見を固くして三角座り、スマホのディスプレイをただただ見つめていました。

それは完全に広瀬すず。

または新垣結衣の佇まい。

アツシ「なにしてるんだよ!!」

アツシはもう妻夫木聡。

これはワタリにとって大きな出来事。

まず最初の驚きは

その話を全く覚えてないということ。

もう一つは

どんなに酔っ払っていても、男性か女性かの違いは判断できるだろうと思っていて、、。

百歩譲って、男性にいったとしても

りょーちんは好みのタイプじゃないのに(もっくんや、ブラピが好み)!

いや、でも最近いい顔してるな〜とか、目がキレイなんだよな〜とか・・・。

混乱しているところに風紀委員的雰囲気をまとった小田篤史がさらに続けます。

アツシ「今日のツアーはさ、ホテルで、皆別々じゃん」
ワタリ「うん」
アツシ「皆、安心してるんだよ」
ワタリ「!!」

このツアー中、今迄に感じたことのない類の妙な緊張感がロクディムを包んでおりました。

その緊張感や新しい関係を楽しんでいるりょーちんとロクディムたちは素敵に狂っているし。

その緊張感に乗って時々ふいにりょーちんを見つめたり、夜中にりょーちんの部屋のドアを叩こうとしたワタリもワタリだね。