6時限+ はなしの時間 hanashi no jikan

6-dim+ Special Contents “interview”

正に「多才&多彩」松尾さんの豊富な知識と、ロクディムの即興への想いが入り混じったインタビューとなりました。

2012/06/06

連載1つ目 メニュー1

ロクディム史上初めてのインタビュー。ライブとは違った緊張感。果たして松尾さんはロクディムをどう見たのでしょう?

2012/06/06

連載2つ目 メニュー1

話は広がって、日本の文化や歴史と即興の関係を捉え直す話になっていきます。にわか芸や三題噺も。

2012/06/06

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アドリブが世界を救う!?アドリブを「対処」「危機管理能力」と表現する松尾さんとロクディムのトークセッション。

2012/06/06

えっと、まずは、ホントに、こんな忙しい時にですね、あの、僕たちの、ホントに無茶ぶりというか、そのお願いに、なんてもう、なんて!気持ちよく快諾していただいて、本当に、本当に!ありがとうございます。
松尾さん
いえいえ、もう、このインタビューを受けるのが子供の頃からの夢でした。
いやいやいや、間違いなく知らなかったですし、
カタヨセ
僕たち、
生まれてないですから。
松尾さん
もう、だからなおさらの話じゃないですか。
ど、どういう、なおさらの話?(笑)
松尾さん
はい。
カタヨセ
(笑)
松尾さん
と思います。
と思います(笑)
松尾さん
はい。
いや、ホントにね~嬉しいんですけど。
カタヨセ
ホントにね。
あの、色々聞きたいな、って思うこともあるんですけども、
松尾さん
はい。
あの、僕らのロクディムライブを2回見ていただいて、終わった後に「どうでしたか?」って一度だけお話させて頂いたんですけど、
松尾さん
ええ。
その時にもやっぱりちょっと、あの~、聞くのが怖かっていうのもあるんですけど、
松尾さん
はい、はい
まず、ロクディムのことをどう思ってんのかなっていう、
松尾さん
はっはっはっは
あの「面白い」と思っていただいているのか「興味深いよ」なのか「応援しよう」なのかっていうのが、こう、
松尾さん
うん
ウチらの中でも、いざ、インタビューってなった時に、「はて?」、、、ちょっと待て、そこが分かんないと何とも進めらんないぞ、っていうのがあったんです。
松尾さん
はい、はい、ええ。
まず、率直な、見た時の感想などを聞かせていただけたらと思うんですね。
松尾さん
あの、僕はね、ん~、、、、、、、(長い間)、、、、、、、
6ふたり
、、、、、、、(汗)、、、、、、
松尾さん
、、、、、、、アドリブってね、あの、「にわか」って知ってますかね?
6ふたり
あ、はい。
「にわか芸」。
松尾さん
ええ。上方であった、あの、最近あったことを形にして、そこに洒落のめしながら、批評性もある芝居を見せて、ま、大道でやるようなんですよね。
はい。
松尾さん
ん~、で、なんか、ま、「題」をもらう時もあるでしょうし、江戸でもこう、三題噺みたいなことをやって、お客さんから題もらって話作ったりとか、っていうこと。
うん。
松尾さん
あの、日本人っていうか、もともと庶民はものすごく長けていたんでしょうね。それが、何か予定調和的な笑いとか、あの、表現ばっかりになって、そういうものに餓えている人たちが、いっぱいいるって言う、
う〜ん。
松尾さん
その、あの、巨大なニッチができてんだよね(笑)
カタヨセ
はいはい。
松尾さん
そこに今からがーっと行こうとしている人たちだな、っていう感じで見てましたね。面白いなあ~と。で、絶対それが面白いって言う、つまりあの、う~ん。「あそび」ってね、あの、4つの要素しかないのね。
松尾さん
え~、「模倣」
もほう
松尾さん
で、「競争」
6ふたり
きょうそう
松尾さん
「偶然」「めまい」
ほお~
松尾さん
この4つの要素があれば、まあ、複合的にあれば「あそび」なんですよ。
はあ〜。
松尾さん
うん。
その理論、初めて聞きました。
松尾さん
あ、そうですか。あの、全ての遊びの中にはこのうちのどれかが入ってるんですよ。
特に最後の「めまい」
松尾さん
「めまい」。一番、原始的なの。(赤ちゃんをあやすように)「たかい、たか〜い」
ああ〜。
松尾さん
あるいは、ジェットコースターに乗るとか、
あ、なるほど!そういう、
松尾さん
バットを頭にあててグルグル回るとか
はいはいはいはい。
松尾さん
ああいうことはすごく大事なんですよ、「あそび」の要素としては。
カタヨセ
なるほど。
松尾さん
だから遊具が置いてあるでしょ、遊園地に。
はい。
松尾さん
くるくるくるくる回って、
ええ、そっか。
松尾さん
歩けなくなるの、
そういうのって、全部「めまい」理論で、
松尾さん
そうですね、うん。
行われてますもんね。
松尾さん
逆上がりだって、多分そうだと思いますしね。
ああ~、そっか。
松尾さん
上手にできるようになる為に、何回も回れるとか。例えばかけっこで誰が早いとかっていうのは競争じゃないですか。
で、誰がいいアドリブ飛ばすのかっていう競争心もちょっとあったりとか。
6ふたり
うん。
松尾さん
あと「偶然」。偶然っていうのは お客さんが書いたものだけど、どれをとるかっていうことは偶然ですよね。
確かに!確かにそうですね。
松尾さん
うん。それで、自分で何をやっているのか分からなくて「めまい」が起きたりとかね、っていうこともあるかもしれませんけど(笑)
一同
(笑)
確かに。よくおこってる(笑)
松尾さん
で、芝居って模倣の最たるもんでしょ。
そうですね。
松尾さん
で、この4つの要素をものすごくバランスよく持っている集団だなっていう感じがします。
カタヨセ
ほ〜。
言われてみたらそうだなっていう感じが、
カタヨセ
いやいやいやいや(笑)
松尾さん
あははは
(笑)。競争とかもね、やっぱり、言ったら、あの、ハットゲームっていう、相手の帽子を取っちゃうっていう、
松尾さん
はいはい。あれもそうですね。
そうですね。
松尾さん
うん。
誰が一番いい即興で(シーンを)ディレクションしているかっていうのとかも、
松尾さん
うん、うん。

──続きます──

ロジェ・カイヨワ 遊びと人間

松尾さんの話に出てきた「あそびの4要素」については、フランスの文芸批評家であり社会学者でもあり哲学者でもあったロジェ・カイヨワ:著「遊びと人間」にて、分類・考察されています。

「遊びと人間」著:ロジェ・カイヨワ
翻訳:多田 道太郎、 塚崎 幹夫
講談社学術文庫:(文庫 - 1990/4/5)

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