正に「多才&多彩」松尾さんの豊富な知識と、ロクディムの即興への想いが入り混じったインタビューとなりました。
2012/06/06
- 渡
- でも、そうなんですよ。
僕らも即興やってて、多分、そういった「めまい」みたいなものにハマったっていうか、中毒になって。で、普通のお芝居とどう違うんだとか。ま、いい芝居といい即興ってほぼ同じような効果が生まれると思うんですけど。
僕らはずーっと即興っていうのをやってきて、やっぱお客さんと「今あるこの瞬間」に行われているものを掴んで、ドラマを作ったりとか。お客さんの言葉を使う、ま、ゲーム的なこともそうなんですけど、いろんな表現方法がある中で僕らはそれをやっていて。
ありがたいことに、スロコメだったり笑和堂だったり、お客さん(観客)と近い距離でやらさせて頂いて。
松尾さんとの出会いがあった時に、一個すごい自信というか。ま、あの、星子さん(星子旋風脚)が主催して、呼んでくれてっていうのがあるんですけど。
もっとできるんじゃないか?っていうことと、去年震災があって、カタヨセが福島なので、あの福島でやるんだ!っていうことで、2回やって。
で、そこからやっぱ評判が良かったっていうか『他のとこでもやってください」っていう流れになったんですね。 - 松尾さん
- はい。
- 渡
- で、これはじゃあ、東北だけじゃなくて日本中回れるんじゃないか?
- 松尾さん
- まわれますよ。
- 渡
- って思ったんです。
- 松尾さん
- うん。あの、、(突然大声で)大きなことを言うようですが!
- 渡
- (負けじと大声で)はい!
- カタヨセ
- おお、大きい。
- 渡
- 大きな声になった。
- 松尾さん
- アドリブってね、対応なんですね。「対処」「危機管理能力」。何か災害が起きたときに、もちろん物理的にはそれではできないけれども、どういう心境で、どういう元気づけをし合って、どういう風に思って生きていくっていうのも。これもね、実は、長い目でみたらアドリブ力なんですよ。こういうような状況変わっちゃった。じゃあどうしよう?って、これアドリブなんですね。
- 6ふたり
- うん。
- 松尾さん
- どういうような「質」の引き出しを、自分の中に置いておく。そのうちの1つが災害から逃げることであったり、あるいはそのー、病気を避けるとか事故を起こさないようにするとか、いろんなことも散りばめられているけれども、もっと楽しくできる方法は何だろうとか、人と仲良くするためにはどうだろうとか、情報を得る為には何だろう、って色んな引き出しも、やっぱり等距離にあって。そこで何かあった時に、状況変わった時に対応できるって、こういうアドリブと、今やっていることと、僕はその延長線上にあると思っているんですね。
- 渡
- うんうんうん。
- 松尾さん
- だから、何か学べたり、それも、「勉強する」っていう意味の学ぶじゃなくて、何かこう「ふって気がつかせてもらえる」ようなものをね。はらんでる芸のスタイルなんだろうなって思うんでね。
- 渡
- 本当にすごいですね。
- 松尾さん
- だから世界中まわってもいいと思います。
- 渡
- ああああー。
- 松尾さん
- 言葉は通じないでしょうけど。
- 渡
- うんうんうんうん。本当に同じようなことを、去年そのカタヨセヒロシは、特にあのメインで活動してたんですけど。「なぜ即興なのか?」っていうことは、今、松尾さんが言われたとおり、その何もないところから、もしくはその震災で何もなくなったところから、じゃあ、どうやって創っていくんだ、これからを。っていうことは、僕らがやっていること、何もないところから『どうもー』って出ていってお客さんと喋って、それを使って1つ物語を創るわけですよね。その時には演出家も脚本もないところで『この人がこれ言ったからこうだ』『これ言ったからこうだ』って、その場その場で、ずっと臨機応変に対応していって、結果こんなんなりました!っていうのが、なんて言うんですかね「人生即興じゃないですか」っていうのと同じようなテーマがあるね。
- 松尾さん
- うんうん。そうですね。人生即興ですね。
- 渡
- で、諦めちゃったらやっぱりお客さんもがっかりだし残念だし、でも大変なことなんだけど、頑張って諦めずにこのメンバーで前向きに、お客さんも一緒ですけど、一緒に何か創ろうよ楽しもうよっていうマインドが1つのメッセージと。
- カタヨセ
- そうそれが、もう本当にもう、ちっちゃい、これくらい伝わったらいいなって。
- 渡
- そう!そうそう!
- カタヨセ
- たぶん僕らにはそんなに、それを伝えるほどの力もないし、それを目的にするとちょっと何か。
- 渡
- ね。
- 松尾さん
- だから例えばね、あの、飲食業とか、あるいはサービス業とか、あるいは芝居を観に行くとか、色んなところに行って「こういうサービスを受けて当然」「自分はこれを楽しみに来たんだ」って決めてかかってるけど、自分が思ってることとイメージがずれた時に、現実がずれた時に、異常に、あの、なんていうか、過剰な反応をするっていう人っていますよね。
- 6ふたり
- はい。んふふ。
- 松尾さん
- それはやっぱり危機管理能力がないって言うか、アドリブ力がないんだと思うんですよね。
- 渡
- う〜ん。
- 松尾さん
- で、プラス、そういうお客さんが来た時に、対応できないっていう店側のアドリブ力の無さもある。
- 渡
- あ~、はいはい。
- 松尾さん
- 世の中を救うのはアドリブ力なんだろうな、と。外交もそうだし、戦争だってそうだし。
- 渡
- う〜ん。
- 松尾さん
- うん。病気もそうでしょうしね。そのアドリブ力っていうことが、一番…あの、本書いたら?
- 6ふたり
- (爆笑!)
- 渡
- え~~~!(笑)本、書きましょうかねぇ~?
- カタヨセ
- 書い…書いてもいいですか?
- 一同
- (爆笑)
- 渡
- あははは、ホントだよって
- 松尾さん
- う~ん。アドリブが世界を救うっていうね。
- カタヨセ
- う~ん。
- 渡
- いや~、素晴らしい「言葉」を、頂いてますね~。
- 松尾さん
- う~ん。
- 渡
- いやホントに、ホントにそういう、だから「Japan Tour Project」っていうのを、なんとか、いやあの~、載せたい! でも、やっぱりうちらが大きな声をいくらやったところで、どこの誰だかもわからないっていうところもあり、何とか今、あの~、とりあえず今年に入ってちゃんと資料を作って、まぁDVDにしても何にしても、全部集めて作って、切符を作ってから色んなところに声をかけて、っで回っていこうとっていう。
- 松尾さん
- いいですね。うん。
- 渡
- ええ。やって行く時に本当に松尾さんの。
- 松尾さん
- はい。
- 渡
- っとにあの、僕ちょっと今ね。
- カタヨセ
- はいはい。
- 渡
- 一個ね、ずっと気になってることがあるんすけど。
- カタヨセ
- はい。
- 渡
- 一番最初に。
- カタヨセ
- はい。
- 渡
- 「松尾貴史さんです、宜しくお願いします」って何で俺言わなかったんだろうって、ずっと気になってんだけど俺。
- カタヨセ
- あぁ…。
- 渡
- えぇ。
- 松尾さん
- アドリブですよね、それはね。
- 渡
- アドリブですね。これ間違えちゃったなって思いながらも。
- 松尾さん
- ははははは。
- 渡
- これ、最後に言おうっ、みたいなことになってんですけど。
- 一同
- (笑)
- カタヨセ
- まぁ、でも、松尾さんはもう見た瞬間わかるから。
- 渡
- まぁ、わかるからね。
- カタヨセ
- ウチらが誰かって言うことを。
- 渡
- うちらがロクディムですっていう、はい。
- カタヨセ
- 言わないと~。
- 松尾さん
- 本当だよね。
- 渡
- ホントそうだよ。
- カタヨセ
- まぁ、なにか足しましょう。
- 渡
- 後でペッて貼ろう。
- カタヨセ
- 失礼しました。後でよろしくおねがいします。
- 渡
- えぇ。なのでその松尾さんが今どう思って、あの、コメント頂きたいなっという。
- 松尾さん
- はい。
- 渡
- なんですけど。もうかなり、何て言うんですかね。こんな2回しか観て頂いてないんですけど、その中でも「核」をちゃんと見てもらってるっていうか、さっきヒロシが言った「何%か」っていうのが、すげぇ伝わってるっていう。まぁね、ほんっっとに今ちょっと感動…です。
- 松尾さん
- こちらこそ。
- 渡
- ほんとにお忙しい中、本当にありがとうございます。
- カタヨセ
- ホントにね、松尾さんの子供の頃からの夢を叶えることができて。
- 松尾さん
- はい。
- 渡
- 出逢えて本当に良かったと思います。
- 松尾さん
- もうあとは、カレー屋で博多で店だすのだけですね。
- カタヨセ
- (笑)
- 渡
- 「カレー屋」で「博多」で「店を出す」んですね。
- 一同
- (笑)
- 松尾さん
- あと札幌と。
- 6ふたり
- えぇ!?
- 渡
- まだあったんですね(笑)
- カタヨセ
- (笑)
- 松尾さん
- あと名古屋と。
- 渡
- 結構多い。
- 松尾さん
- えぇ、仙台。
- 渡
- いや~(笑)
- カタヨセ
- そこの全てでやらせて頂きたいですね、僕らね。
- 渡
- ホントに~やらせていただきたい。
- 松尾さん
- ほんとは沖縄も出したいんですけど(笑)
- 6ふたり
- いえっひぇっひぇ~(笑)
- 渡
- 何の宣伝なんですか(笑)
- 一同
- (笑)
- カタヨセ
- いやいや~。
- 渡
- いやいや~、ほんとに。もうなんかありますか? あなた、なんかまだ?
- カタヨセ
- あっ、僕ですか?
- 渡
- ええ。聞きたいこととか。
- カタヨセ
- そうっすね~。あっ!
- 渡
- 僕ちょっとね、胸が一杯なんです、はい。
- カタヨセ
- 一点だけ。
- 渡
- どうぞ。
- カタヨセ
- さっき渡が京都の大学に教えに行ってるって言った時に、その、日本人の性質としてある「和を持って尊しとなす」っていう話から、「和」があり過ぎるから弱くなっちゃうんじゃないかなぁ~っていうのが、僕の感じることで。
- 松尾さん
- あっ、それはあると思います。
- 渡
- う~~ん。
- 松尾さん
- だから予定調和があるし、こういう時にはこうするよねっていう、つまりそれも引き出しのうちであってね。
- 渡
- う~ん。
- 松尾さん
- 沢山ある引き出しが、少なくてすむ。あるいは、種類が少なくて微妙な違いの引き出しだけで済んでるっていうところを、もっと大きな違いのある引き出しをもって来られた時に、みんなパニックになるので、ならないようにする為の「種類」を増やしておく必要があるんだろうなと思います。
- 渡
- う~~ん。…なるほど。…少ない人は少ない人で、またこの多い人との関わり方で、なんか、少ないなら少ないなりの楽しみ方とか。
- 松尾さん
- つまり、鉄道ファンは鉄道ファンだけで、小さな情報を出すだけで何の話をしてるかすぐわかるじゃないですか。でもその興味のない人は「それ何?」「いやいやだからこれはね、例えばバスで言うところの」とか「船で言うところの」とかっていうことをやっていかなければいけなくなるでしょ。つまり、日本人がず~っと狭い中で、ね、微妙な違いだけで阿吽の呼吸でやってきたっていう神経としてはいいんだけど。うん、その作業には慣れてるけど、アイテムが離れ過ぎてる、要素が違い過ぎてる、規模が違い過ぎるっていうことに対応できないっていうことですよね。
- 6ふたり
- う~~ん。
- 松尾さん
- 大体、前例主義になってしまうから日本は、世界が今までと違う形になってきたっていう時に対応ができない、っていうことになってるんだと思うんですよ。
- 6ふたり
- う~〜~ん。
- (間)
- 渡
- あっ!すんごい満足した顔!
- カタヨセ
- いやっ(笑)楽しいっす。
- 渡
- いやほんとに、何かずっとしゃべっていたい感じがするんですけども、もうちょっとお時間もお時間なので。
- カタヨセ
- はい。
- 渡
- え~、本当に本日は、あの~、…タレントであり、俳優であり、
- 松尾さん
- はい。
- カタヨセ
- 文化人であり。
- 渡
- 文化人であり、著名人であり、そして同じ兵庫県出身でもある
- 松尾さん
- カレー屋の店主である。
- 渡
- カレー屋の店主でもある。まだありますか?
- カタヨセ
- (笑)
- 松尾さん
- 折り紙作家でもあり、
- 渡
- 折り紙作家でもある、えぇ、そうなんです?
- カタヨセ
- えっ、はぁ~
- 渡
- ほんっとにね。
- 松尾さん
- 何一つ目覚ましい成績を残してない。
- 渡
- イヤイヤイヤイヤイヤイヤッ(笑)何を言うんですか(笑)
- カタヨセ
- (笑)
- 渡
- イヤイヤそんな。素晴らしい、え、あの、松尾貴史さんと、え~、お話をさせて頂きました。え~、本日はどうもありがとうございました!
- カタヨセ
- ありがとうございました。
- 松尾さん
- そちらこそ。
- 渡
- そちらこそ?
- カタヨセ
- (笑)
- (間)
- 渡
- っはい、ありがとうございます。
- カタヨセ
- ありがとうございま~す。
- 松尾さん
- ありがとございまーす。
- 一同
- 拍手
初めてのインタビュー・対談企画でした。いかがだったでしょうか?
今後も色々なジャンルの人と「はなしの時間」をしてきますのでお楽しみに。次回の「はなしの時間」や「ロクディム」に興味をもたれた方は、facebookページがあるので「いいね!」をしてロクディムの活動を知って下さい。