皆さんそれぞれの思う「これからの浅草」
- カタヨセ
- 先ほど「風」の話がありましたけれども、すごく良いなと思いました。僕達もいろんなところでやらせてもらうんですけど、色々な地域や子どもたちから大人・企業の方へと出会うんです。その時は僕たちは「風」なんですよね。
- 安田
- うんうんうん。
2018年1月18日・19日
宮城県大崎市で実施した公民館職員向け研修と中学3年生向けワークショップの記事
大崎タイムス 2018年1月24日朝刊
即興パフォーマンス集団「ロクディム」は18日、19日の両日、大崎市の中学校と公民館でコミュニケーション能力を磨くワークショップ(WS)を開き、即興芝居体験を通して失敗を恐れずに自己表現することの大切さを伝えた。
(記事より一部抜粋)
- カタヨセ
- 旅人みたいなもので、ふらっと来て、でその時に「何かの刺激」をお伝え出来たらいいなと思うところでやっていて。そういう意味で「風」のお話はすごくわかるというか、共感するなあって勝手に思いました。
さて、改めてですが、セグラスの皆さんは、これからの浅草・六区をどういった町にしていきたいと思われてるんでしょうか?個人的なお話でもいいですし、会社としてのお話でもどちらでも。どういった思いがあって「浅草」に関わられていて、僕たちはそれにジョインさせてもらったのかな??という事を「個人的に」知りたいだけなんですが(笑)どういうふうな町にしていきたいと思ってるんでしょうか?
- ケン
- じゃあここは(と調さんを促す)
- 調
- なんでここだけ私なの?おかしいでしょ(笑)
- 全員
- (笑)
- 名古屋
- ここでいきなり切り込み隊長(笑)
- 調
- 難しいね。いっぱいありすぎて。どういうふうな町にしていきたいか?私は、もともと、サプライズとか好きなんです。この浅草の町ってすごく特別で、町や人との一体感を感じることも多いし。私はもともとお婆ちゃん子で、お婆ちゃんが浅草に行ったら何したいか?ばっかりを考えてけっこうものを作っていて。
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- ロクディム
- へえ〜。
- 調
- それを預けられる様な町にずっとしたいと思っています。セグラスに入る時に、サプライズが町中で叶う場所にしたいって、ずっとこういうことがしたいんです!っていう話をしたんですけど、今もずっとそういうことばっかりを考えています。いつ行っても楽しい町。でもそれをするには、さっき言っていた今日のテーマみたいな「人」がいて、その「人」が受け入れてくれるからお婆ちゃんが一人で行っても楽しい、みたいな。そういう町にしたいなあって思います。
- 名古屋
- 安全であるとかもね、そうですもんね。
- 調
- っていう町だな。それが唯一叶うのは浅草かなあって。
- ロクディム
- うん。
- カタヨセ
- すごいですね。
- 調
- こんな感じかな。私の思いばかり言っちゃった(笑)
- カタヨセ
- いえいえ、そういうのが聞きたかったんです。ありがとうございます。
- 大和
- なんか私は、本当に、無知の中で浅草に入ってきて、世の中に対しても無知な方なので、あの他の人と比べると。え〜、っと(笑)
- カタヨセ
- 過保護だったんですか?
- 全員
- (笑)
- 小田
- 過保護って(笑)
- 大和
- 過保護だったかもしれないです(笑)
なので、ここ(セグラス)で、町の歴史だったりとか、この1つのステージを作るためにどれだけの人が関わっているのかとか、色々なことを知ってきました。
以前までは、自分が歌う方だったので、歌える場所があることが当たり前っていう感覚がすごく強かったんですけど、ここ(セグラス)に来てから、このステージに立てることがどれだけ奇跡に近いことで、ありがたいことなのか、っていうのを学べた場所なので。
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- 大和
- これは本当にパフォーマー目線からになってしまうんですけど、他から来てくれたパフォーマーの方にも、そういうのがちゃんと伝わる様な町になっていくと、なんかすごく、全体的にエンターテインメントの日本のレベルがグッと上げられるのかなっていうふうに思います。そういうのって、多分、日本人らしい感覚だと思うんですよね。ここのステージがありがたいと思うのって。そういうのを大事にしていきたい、そんな町になったらいいなと思ってます。はい。
- カタヨセ
- ありがとうございます。
- ケン
- 「サプライズが好きな作り手目線」と「パフォーマー目線」がでたので、ちょっと「外国人目線」でいってみようかなと。
- 全員
- (笑)
- カタヨセ
- なんか笑点みたいになってきましたね(笑)
- ケン
- 10年前、24歳の時に日本に来て、やっぱり日本らしさっていうのをすごい求めていた自分があって。何が日本らしいんだろう?どこが日本らしいんだろう?って探し回っても、結局、あんまり答えがなかった中で、全く来たことがなかった浅草で舞台に立つことになった時に、浅草寺とかこんな素晴らしい景色があるんだなと思ったんです。
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- ケン
- そういう中でセグラスと出会って、浅草ってこんな素晴らしい歴史があるんだ、こんなエンターテインメントの聖地と呼ばれた様な時代があったんだっていうことを知りました。外国人が日本に来た時に、浅草に来る人は結構多いんですけど、浅草寺を見て五重の塔を見てスカイツリーを見上げて、それだけでも多分すごいなぁって思うんですけど、それ以上の何かを求めている自分がいて。それって何だろう?って。
答えはなかったんですけれども。それって、日本の日本らしいエンターテインメントであったり、おもてなしの精神っていうのが見えることなんだろうなっていうふうに、自分たちの手で作りながらそれを感じ、自分の疑問への答えが出てきてるんで、観光しに来た人達を一番おもてなしできるような「エンターテインメント」っていうんですかね。そういうものを…あ、えっと、想像ではもうちょっとうまくまとまるはずだったんですけれども(笑)そんな感じです(笑)
- 全員
- (笑)
- ケン
- 安田さん、あとはお願いします(笑)いいパス送りました!
- 全員
- (笑)
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安田さんの思う「これからの浅草」
- 安田
- いいですか?(笑)
- カタヨセ
- お願いします。
- 安田
- 質問って「どんな浅草にしたいか?」っていう事、話ですよね。
- カタヨセ
- はい。
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- 安田
- 今って、まだベースが「六区が興行街だった時」を目指していて、当時のことを誇りに思ってやっているところがあるんです。
- ロクディム
- うんうんうん。
- 安田
- だから地元の人たち、浅草で当時育った人たちは、その当時のことを思って話しているわけです。過去の話。でも、今でも浅草には地元の子どもたちがいて、っていう話で。この子たちが大人になった時に、明治大正昭和じゃない「今の六区」を誇りに思って伝えてくれるっていうものを、作りたいなっていうふうに思ってるんですよね。
当時の六区の話をするだけではなくて「今、こんだけすげーんだぜ」っていうところに、ちゃんと今の子供たちを巻き込んでいって、まあ、子どもたちだけじゃなくて、行政も含めてですよね。「六区があること」が「台東区の浅草の資産なんだ」っていうところにしていきたいと思っているって感じですね。
- ロクディム
- うんうん。
- 安田
- 時間が経てば、賑わっていた当時のことだけじゃなくて、今のこともね、何十年後には調べられる対象になるから。
- 名古屋
- そうですよね、歴史になりますもんね。
- 安田
- っていうところを、ちゃんと誇りに思えるようなものにしていきたいなーっていう思いがある、っていう事で、答えになってるんですかね?
- ケン
- (目元を抑えて涙を拭いている)
- 調
- 泣いてる?
- 全員
- (ケンさんを見て大笑)
- 安田
- ってことですね。
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- カタヨセ
- 過去の「あれ=興行街」をそのまま現在に持ってくるだけじゃなくて、「ここ=当時の浅草」にあった「本質的な部分って何だろう?」って考えることですね。大切なのは「本質」なんだっていうことですね。
- 安田
- そうそうそう。まだ実現できてない部分は多々あるんですけれども、例えば、ニューヨークのブロードウェイって劇場がたくさんあるじゃないですか。そこには、地元の学校の子供たちが劇場を見に行くっていうカリキュラムみたいなものがあるんですよ。
- ロクディム
- へ〜!
- 安田
- その子たちが、自分たちの町に劇場があるということを誇りに思えるカリキュラムだったりして、子供たちは無料だけど大人からはちゃんとお金をとってお金を回していくっていうことだったり、劇場で言うと、ロングラン上演をしていく中で、平日の日中をそういうカリキュラムで埋めていったりとか。そういう考え方・視点もありながら、ちゃんと誇りに思えるようなシステムをブロードウェーは文化として持っているので凄いなって思っています。
浅草は、ここ15年ぐらいでだんだんマシになってきましたけど、その頃の六区は近寄り難いイメージもありました。劇場街だった頃は小さい子供に対して、人がいっぱいいて賑わい過ぎてるから危ないから近寄っちゃダメよっていうエリアで、2000年ぐらいの時はまた違う意味で近寄っちゃはダメよっていうエリアだったわけです。
- カタヨセ
- へ〜!!
- 安田
- ある意味、今に「蓋を閉じて」状態で、「昔は良かった」って言って昔を語っていたわけです。その蓋を、勝手に開けて「今を面白くしようぜ!」とやってるのが我々だという事なんです。
- セグラス
- (笑)
- カタヨセ
- いやあ、すごい。
- 安田
- そういう意味でも「六区があることが資産なんだ」と変えていきたいですね。
- 名古屋
- いいですよね、子供たちが誇れる町をっていうのは、すごい大事ですよね。そうしたら多分、その子供も、その人の子供も多分そうなっていくだろうし。
- 安田
- そうですよね。
- 名古屋
- いい意味で、歴史じゃなくて伝統的な何かがね、先行していって。
- 安田
- ねえ。
- 調
- すごいですね。総合したら、お婆ちゃん視点に、パフォーマー視点に、外国人視点に、子供視点っていう。
- 小田
- お〜!確かに!(笑)
- 名古屋
- 多方面からがっちり固めていただいた感じで。
- 小田
- いろんな視点からね。
- カタヨセ
- すごい。ありがとうございます。素敵ですね。
- セグラス
- ありがとうございます。
- 名古屋
- 会社っていうか、チームですね。
- ケン
- そうですね。
- 安田
- 風土で風景をつくるチームです。
- カタヨセ
- 「風土で風景をつくる」
- 安田
- はい。お後が…
- 全員
- よろしいようで!(笑)
- ロクディム
- ありがとうございました!
- セグラス
- ありがとうございました。
あっという間の2時間の対談の後は、ライトアップされた浅草寺とスカイツリーを背景に記念写真。安田さん、調さん、大和さん、ケンさん、貴重なお話をありがとうございました!
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