「名古書紀」〜未知味知シニガンからのタマリンド〜

2015年より名古屋の専門学校で非常勤講師として週に1回ベースで授業を行っています。
この学校は、専門学校と高校が同じ校舎にあり、制服の高校生と私服の専門学校生が同じ校舎内ですれ違い・たまに交流しているという普通ではなかなか見かけない画を頻繁に目撃する素敵な学校です。

今年の夏休み明けに校舎改装に伴い、ちょっとした変化がありました。
今まで高校と専門学校が同じ校舎だけど、講師室は高校と専門学校は別々の部屋を利用していたのです。しかし今年の夏休み明けに高校の講師と・専門の講師の利用する講師室が一緒になりました。授業時間が高校と専門では若干違うので、授業間の休みは異なりますが、お昼休みは、ほぼほぼ同じ時間に。

お昼の休憩時間、高校の英語の先生をやっているフィリピン人の先生(英語の先生は3人いらっしゃいます)が大きなタッパーをビニール袋に入れ、お昼休みに講師室に入ってきました。そしてタッパーの蓋を開けて言いました。

先生「じゃーん!シニガンスープつくってきたよ!先生も食べてねー!コップも箸もあるよ〜!」

シニガンスープ?!!

まったく聞いたことない文字の並び・・シ・ニ・ガ・ン?・・全く何が入っているか予想の出来ない言葉の並び・・一体シニガンとはなんなのか?しかもスープ・・?
戸惑いが、僕の顔に出たのでしょう・・

もう一人の英語の先生「トムヤムクンみたいな味のフィリピンの家庭料理だよ〜!」

3人目の先生「この人料理上手いから食べたほうがいいよ〜!」

なんと二人の先生がシニガンアシスト!
そう言って、紙コップを渡してくれました。
これは・・もうシニガンする流れ!このシニガンビックウェーブにのるしかない!

タッパーの前に立つと・・スープの中には、煮込まれた見たことある食材(骨付き豚肉・大根・里芋・オクラ・ししとう・青菜・エノキ)が!ふと湧く疑問・・

はて?どれシニガン?

挨拶くらいしかしたことないので、こんなこと聞くことも出来ず・・置かれたスプーンを手に取り、いただいた紙コップの中にちょっとだけスープと見たことある野菜(きっとシニガンじゃない)を入れ
スプーンをゆっくりと置こうとすると・・

先生「なーに!先生!豚肉も美味しいよ!豚肉も入れなよ!」

と初シニガンにビビる僕に、クリティカルシニガンを決める!
先生が見ている前で、骨付きシニガン豚肉をコップへ投入。

席に戻り・・・
人生初シニガン。
先ずは骨付き豚肉をと、豚肉に箸を入れるとホロリと骨から肉が外れます。
これは・・めちゃ柔らかシニガン。お肉を口に入れると
・・・酸っぱい!!結構ガッツリ酸っぱい!でもホロリ豚肉の油とスッパスープがめちゃくちゃ合うシニガン!止まらず大根へ箸を進める、肉より大根スッパシニガン!里芋にも箸を進める、大根よりもめちゃスッパシニガン!でも野菜の甘味と豚肉の出汁と酸味が絶妙にマッチしてメチャ美味シニガン!思わず先生に

僕「この酸味はお酢ですか?レモンですか?それともシニガンですか?(最後は言ってない)」

先生「タマリンド

んっ!!???

先生「タマリンド

僕「た・ま・り・ん・ど?」

先生「うん。タマリンド

なかなかない短時間で、こんなに聞いたことがない言葉の並びを聞くという経験。
それ以上のヒントが出してはくれず。Googleさんに聞いてみたところ。

タマリンドは、マメ科チョウセンモダマ属のフルーツで、アフリカの亜熱帯地域が原産です。
見た目は、大きなそら豆のような形をしています。
日本ではあまりなじみがありませんが、東南アジアやインドで盛んに栽培されており、タイやインドでは定番のフルーツです。
タマリンドの果実は、少し独特な風味があり甘酸っぱい味わいです。
干し柿に梅干しの酸味を加えたような味で、一度食べるとクセになってしまう人もいるようです。

写真を見ても見たことない形状のマメみたいな感じリンド。
とてもフルーツには見えないリンド。
興味のある方は調べて見てください。

タマリンドの説明とシニガンを食べた感じを日本にあるもので例えると
「豚肉と野菜の梅干し煮込みスープにめっちゃ追レモン汁」
が近いかな。
いや・・野菜に含まれたとてつもない酸味を考えると
「野菜を豚肉をレモン汁煮込んだ後に深みを足すために梅干しを足したスープ」
が近いのかな。

結果:タンマリンドを使用したシニガンスープはめちゃ酸っぱいけどめっちゃ美味シニガン!

ちなみに・・今、シニガン(タガログ語:Sinigang)を調べたところ和訳は「お粥」でした。ってことは・・シニガンスープはお粥スープ。ご飯にかけて混ぜながら食べるのが正解っぽい。ちなみに、先生の息子さんと旦那さんはシニガンスープ大好物だそうです。

フィリピン料理美味しいな。
調べたら名古屋にもあったから今度行ってみようシニガン。

写真はビビリシニガンをいただいた紙コップ。今なら丼で頂きたい!