その日は
久々にゆっくりと時間が取れる一日だった。
予定もなく自由に時間を使える日。
いつもだとそんな時は朝から
「あれや、これや、それも、あそこにも、ついでに、おまけに・・」と
気忙しく
時間を逆算して隙間も有効に使おうなどど意気込んで
お菓子の袋詰め放題のようにスケジュールを詰め込んで
今をすっ飛ばして次、次を追ってしまう。
しかし今回はそれはなしにして
何も足さない。何も引かない。何とかしようともしない。
何をするでもなく
その時々に自分を合わせて過ごさせていくこととした。
掃除機かける。
コーヒー飲む。
外に出る。
歩く。
みたらし団子を食べる。
ベンチに座る。
流れる雲を目で追う。
帰る。
終了。
普段なら「何もできずに終わってしまった。」と言うだろうし言いがちだ。
確かに何かした手応え感は一切なかったが
足り、満つる何かはあった。
有るは無きや。
無きは有るや。
全身に気持ちいい隙間風が通っていった時間。
余白デイ。
その豊かさを感じた一日。