「知らない」ことがたくさんある。
「知らない」ことは、わからなくて時々怖くなる。
警戒したり、近づかないようにして、
そこになかったことのようにしてしまう。
元からそれはなかったようにして、一時の安心を手に入れる。
「あぁ、よかった。これで知らないことが無くなった」
と、安心したら、また知らないことが出てくる。
そんなことの繰り返し。
「知らない」ことで怖くなったりするけど、
触れてみて、調べてみて、話をして、感じてみると、
だんだんとそれは面白いことに変わっていく・・。
駅の改札を出て、綱島温泉東京園がある出口と反対側に出ると、飲食店がたくさん並んでいる。
どこにいっても見かけるチェーン店。
新しくできた店。
昔から続いてる店。
ぼくにとって綱島にあるたくさんのお店は、いつからか、ただ通り過ぎてく景色になってしまっていた。
僕が綱島で行ったお店は本当に数少ない。
その綱島をいつもとは違う速度で、目的もなくゆっくり歩いて見る『綱島散歩』。
いっつも見ていたはずの景色が、変わって見える。
見飽きてしまったモノの中に発見がある・・・。
奥に入っていくお店。
なんだか怪しげで近づきにくくて、気になりつつ通り過ぎてたお店。
普段なら通り過ぎる店も、1歩、奥に進んでみる。
奥まで行ってみるとドアがあって、人の気配を感じて少し開けてみる・・。
ちょっとずつ進んでみたり、触れてみたりすると、
知らないことがいつのまにか面白いことに変化していく。
綱島駅を出て、すぐの『隠れ家甘味 風月堂』さん。
本当に隠れ家のようで、なかなか入りずらい。
でも奥へ進んでみるとお客さんでいっぱい。
ぶらりと奥に進んでみたお店は、和菓子界で名人と言われた方が作ったお店だった。
この日、僕が食べた栗が入った蒸し羊羹は、一つ一つ手作りで作られたもの。
甘すぎないのに濃厚で、ずっしり。
緑茶と一緒に食べたら、最高の3時のおやつが過ごせると思う。
何も知らずに行ってみたら、名人のお店・・・。
散歩をしてみると、面白いことに出会えるのかもしれない。
今回の綱島温泉スペシャルライブ。
飲食の持ち込みは自由。
綱島のいろんなお店で買いこんでライブを楽しむのもいいし、
東京園のラーメンを楽しむのもいい。
小腹がすいた人は、
同じく東京園と反対側に進んでみると、ツナシマパンのいい香りがしてくるはず。
昭和4年創業のツナシマパン。
温泉街が広がっていた頃も、お風呂あがりの人が食べたりしていたのかもしれないパン。
お店の人におススメを聞いて、食べたのはカリ揚げチーズカレー。
お世辞でなく、僕が食べたカレーパンで1番美味しかったと思う。
外はカリッと、中はモチっとした食感で、チーズとカレーは濃厚なのに、
カレーパンの嫌な脂っこさはない。
一口食べると、またもう一口食べたくなる美味しさ。
ショーウィンドウから店員さんにパンを取ってもらうツナシマパン。
おススメを聞いて、美味しいパンに出会う楽しさがあるのかもしれない。
今回のライブは東京園の温泉付き。
ライブの前に温泉を楽しんでもいいし、終わってから楽しんでもいい。
温泉や銭湯の湯上りの牛乳も美味しいけど、
喫茶店でのんびりアイスコーヒーもいいかもしれない・・。
ゆっくり、ぼーっとする、のんびり時間。
時間が止まったみたいにのんびりできる喫茶店、珈琲館オークラ。
歩くだけじゃなく、立ち止まる事で見えてくるモノもあるのかもしれない綱島散歩。
最後はきっと、誰でも家に帰っていく。
ただ、きっと帰る途中にだって、新しい何かはたぶんあるんだと思う。
綱島駅の2階。
東急ストアに行く手前にひっそりと階段がある。
僕の綱島生活の中でずっと見てはいたけど、通り過ぎていたその場所。
それが駅の2階の飲食店街。
いつからそこにあったのか分からない場所。
僕が綱島に住む、ずっとずっと前からあったであろう飲食店街・・・。
ライブを楽しんだ後に、飲み屋さんを探す方、覗いてみてほしい。
僕がまだ知らない綱島・・・・。
「知らない」ことがたくさんある。
「知らない」ことは、わからなくて時々怖くなる。
でも、それはだんだんと面白いことに変わっていくのかもしれない・・。