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続・されば通る。誰?「乾燥しつつ観想す間奏のような時間」

コインランドリーが好きだ。

正確に言えばコインランドリーで過ごす時間が好きだ。

普段は家で洗濯し外に干して乾かしているが、梅雨の時期や、2~3日雨が続く時は前日のまだ生乾きの洗濯物とその日の洗濯分とがあると部屋の中が生乾きの湿った感じや匂いでなんだか気持ち悪くなることがある。そんな時は一気に乾かしてすっきりさせたくて乾燥機を使うためにコインランドリーに行くことがある。

いつも行くコインランドリーは自宅から車で5分くらいのところにある。

家族全員分の大量の洗濯物を大きな袋に詰め、車に載せて家を出る。

大きめの乾燥機に溜まった洗濯物を一気に投入し100円玉を数枚入れてスイッチを押すと乾燥機が動き出す。

グルグルと回転が始まる。

Tシャツ、ズボン、パンツ、バスタオル、靴下・・巨大な湿ったカタマリだった面々が乾燥機の中で唐突に起きた天変地異に驚きながらも上に下にバラバラになって舞い踊る。

そしてここからの30~40分が何とも言えない至福の時だ。

フカフカでポカポカに仕上がるのを待つ楽しみとそれまでの待ち時間。

さて・・今日は何をしよう。

いつも決まっているのは、まずは近くのコンビニでコーヒーを買ってきて座って飲みながらただその時を過ごす。

コーヒーを飲み終えるとそこからはその時に任せて過ごす時間が始まる。

本を読んだり。

音楽を聴いたり。

何もしないでいたり。

ただ焚火を眺めて過ごしている時のような穏やかな、その時間が無でも有でもあるように感じるそんな瞬間が続く。

そう・・そうなのだ。

自分にとってコインランドリーはちょっとだけ日常から離れてゆっくり呼吸することができる空間なのだ。

やがて「戻ってこいよー!」と言わんばかりにピーッピーッピーッと音が鳴り乾燥機が止まる。

蓋を開けてフカフカ君やホカホカちゃんたちを取り出す。

暖かい手触りを感じながら洗濯物をゆっくり折りたたんでいく。

折りたたみながらオフモードになっていた自分に再びスイッチを入れて気持ちも一緒に整えていく。

袋に詰めた洗濯物と一緒に少し気持ちと身体が軽くなって帰る。

途端に日常に戻る。

「やめろー!!」

「待てー!!」

「なんでまた同じこと言わすー!!」

喧騒の時が始まる。

ふぅ~。

次にコインランドリーに行けるのはいつかな?