それは情熱を交換する時間だった

昨日は「サイエンスショー」を実演する全国の科学館スタッフの皆様にロクディムワークショップを実施。

去年に引き続き呼ばれたことがまず嬉しかです。

朝イチで東京から日立へ移動し、まずは午前と午後に開催されるサイエンスショーを鑑賞。

子供たちと親御さんがたくさん集まって目の前で繰り広げられる科学の力を楽しんでおりました。

終わって、講評。皆真摯にアドバイスを聞いていく。

講評が終わった後は、研修。

ワーク時間は2時間。

参加者は実際にもう子供たちの前でパフォーマンスをやっている人たちがほとんど。

だからより踏み込んでいきたいし、いく必要がある。

しかし、全国から集まっているので、はじめましての人ばかり。

初対面の緊張感をとって、短い時間で「うまくいかないことに向き合って、ともに脳みそに汗かきあって鼓舞しあう関係」をつくり、そこで味わった経験を自分のパフォーマンスにどうつなげるのか?を結びつける時間をつくる。

そんな場になるようにカタヨセヒロシと協力して進めていきました。

「見る」「声を届ける」などの普段当たり前にできていると思うものを改めてやる。

じっさいはまったく届いていないことに面を喰らう人が多数。

全然わからず戸惑う人も多数。

なんとなくできた気がしている人も。

最後は去年と同様、ハードなワーク。

5人グループになって、1人ずつ2分のパフォーマンス。

つまらないと思った観客は後ろをむいてしまう。

半分が後ろを向いたら強制終了。

ワークショップの初日にはやらないワーク。

しかし、チーム間で協力しあって鼓舞しあってやりこなす。

「うまくできなくて良い。失敗から学んでいこう」という人が多かったように感じました。

ワークの後は「情報交換会」。

皆で立食パーティー。食事をしながら出逢っていく。

参加者の皆さんが、入れ代わり立ち代わり声をかけて感想を伝えてくれました。

サイエンスショーをする人は教師出身の人が多かった。

学校の先生も、サイエンスショーのプレイヤーも共通しているのは「子どもたちのために」でした。

そこの情熱がすごくある人が多くて感動した。

「生徒に向かって言った言葉があれで良かったのか?といつも悩む。もっと良い言い方があったんじゃないか?と」

悩まずに、あたかも自分の言っていることが正解みたいに思っている先生よりもよっぽど信頼できる。

その先生がふとワタリの眼をまっすぐに見て、

「あなたみたいな眼になりたかった。優しい眼に」

と、眼に涙を浮かべていった先生の眼はとっても優しかった。

また「叩きのめされました」という先生も。

「自分が嫌だなと思う意見もどうしても拾ってしまう。そして自分が言っている声にも自信がなくて相手に気に入られようと伺っている自分に気づいてしまった」

どうやったら自分を満足させられるのだろう。満たしてあげられるのだろう。

自分で今の自分をみて好きかどうか。

どっちでも良いんだけど、どうしたいのか?

応急処置的に技術でなんとかできる方法もあるだろうけど、結局は自分が自分に聞いてあげるしかない。

「ああ・・ぜんぶ見透かされているようです」と笑った。

また北海道の中学校で孤軍奮闘している先生も声をかけてくれた。

「自分が今まで一生懸命やっていたことは、まだまだやっている風だったのかもと思った。今日は久しぶりに本気の大人を見れた」

たった2時間のワークでそこまで感じてくれているのが嬉しい。

「学校に呼びたい。呼べるようにがんばります」

「はいっ。ぜひ。頑張りましょう!」

またここから縁になる出逢いが育まれると良いなと思っています。

ただ、その中で極めて個人的に嬉しかったのは

「ワタリさん、最後にくだらないこと聞いていいですか?」

「え?はい」

「そのジーンズめっちゃいいやつですよね?」

あぁ・・・分かる人にはわかるのだよ。

「そうなんですよ!」

と話がとんでもなく弾みそうになったところで会は終了した。

「情報交換会」というよりワタリにとっては「情熱交換会」だった。

今年も有り難い経験となりました。

ありがとうございました!