「ロクディムALIVE」はワタリがロクディムの歴史を振り返っていく「完全主観ノンフィクション小説」です。
その想いや前回までの話しはnoteのほうに書いてありますので是非みてやってください。
それぞれの最初の出逢い
小田篤史と名古屋淳との出会いはワタリか上京してから一年後になる。
そのころのワタリは俳優養成所も卒業し、今井純さんのアシスタントをやらせてもらっていた。
純さんはそのころ、俳優養成所だったり専門学校だったりをいくつか回ってインプロを教えていて、そこにとにかくついて行っていた。
その中の専門学校に小田篤史と名古屋淳がいたのだ。
そこで出逢って、そのすこしあとに純さん自身が開催するワークショップで小田篤史と名古屋淳と一緒に即興をやることになってるはずなんだけど、かなり記憶が曖昧だ。
なので時系列どおり正確に話すことはかなり難しい。なので、最初の2人の印象を語ろうとおもう。
名古屋淳はね、えっとね、えーーーっとね、あれ?えーーーーーーーーーーっと。
えっとね。あれ?あ!!思い出した!!!
名古屋淳との最初の記憶
名古屋淳との最初の記憶は、ワークショップの中で一緒にゲームをやったときのこと。
2人組になって「ワンワード」というゲームをやったんだけど、名古屋淳のスピードの速さに驚いたのを覚えてる。
ワタリが何を言おうと、どこにいこうと先回りしているような感覚。
こっちが全力疾走で走っているのに、汗1つかかず涼しい顔してワタリのとなりで並走しこっちを見てるような。
「遅い遅い遅いよ。こっちだろ?はいはい、次こっちな。わかるわかる。遅い遅い遅い遅い遅い遅いフハハハハハハハハー!」
そう言われてるような(ぜったい言ってないんだけど)感覚。
頭の回転がクレージーに速いスピードスター。それが名古屋淳の最初の印象。
小田篤史との最初の記憶
ギョロン。ギョロ、、ギョロギョロギョロン!
目がギョロン。
よくギラつくなんて表現があるが、そんなレベルじゃない。
ギョロだ。小田篤史はギョロついていた。ギョロつきが小田篤史をしているほどにギョロついていた。小田篤史かイグアナか?ってくらいにギョロついていた。
そんな小田篤史との最初の記憶は、表参道にあるスペースでライブをしたときのこと。
その日のライブはかなり出来が悪かった。(まだ全然ライブの場数が足りていないから酷いライブをすることがとんでもなく多かった)
皆が会場とお客さんに飲まれている。
ワタリも冷や汗しかかいていなくて、なんとかしようと必死。
こういうときこそメンバーが一丸となって・・・え!?
そでにいるアツシを観て衝撃をうける。
アツシは・・ステージを観ていなかった。
むしろステージの反対側を見ていた。つまりステージに背を向けている状態だ。
そしてアツシが見ている反対側は壁だ。
そう、彼は壁を見ていた。別に特別な壁じゃない。模様もない。ただの白い壁だ。
それだけじゃない。
なんかくっちゃくっちゃしてる。
え!?なんだなんだ?と観てみる。
・・チョコだ。
He eating the chocolate!(彼はチョコレートを食べてます!)
急に第一言語が英語になるほどの衝撃だった。
アツシは「ライブの内容が酷すぎて観てらんない」っていうことで本番中にステージに背中をむけて壁をみつめながらチョコを食べるというスーパークレージーボーイだった。
そんなに尖っているから専門学校仲間でもセンター的なポジション。エンタメチームも主宰し、ライブの構成とかも手掛けていて、ワタリもそこでゲストとして出演したことがある。
ライブのオープニングでダンスもした。
「(ギョロギョロ)タケシくんもさ(ギョロン)ダンスしてもらうから。(ギョロギョロギョロ!)良いよね?」
断れるはずもない。
皆がダンスの稽古をしているときもギョロンと見て、
「(ギョロギョロ)んんん~なんか違うんだなよぁ(ギョロ)タケシくんさ(ギョロギョロギョロ)もっとやれる(ギョロギョロギョロギョロ!)よね?」
「はい!」
本人も何年も経って過去を振り返ったときに「自分以外全員バカだとおもっていた」と証言している。
完全にギョロつき、自分が天才でまわりは馬鹿しかいないと思っている。それが小田篤史。
ワタリ19歳。小田篤史、名古屋淳が18歳の頃のことだった。
そんな2人と一緒にチームをすることになるのはもう少しあとの話し。