「ロクディムALIVE」はワタリがロクディムの歴史を振り返っていく「完全主観ノンフィクション小説」です。
その想いや前回までの話しはnoteのほうに書いてありますので是非みてやってください。
東日本大震災がきて、1ヶ月が経った。
東京にいても余震はあるし、放射能がどうのこうの言われていた。
福島出身のカタヨセは毎週のように地元に帰っていた。
エンタメが遠い。
そんなある日。
ロクディム皆が集まった。
カタヨセが言った。
「福島で即興ライブがしたい」
あのときのカタヨセの顔を覚えている。
そこからつとめて冷静にカタヨセは話ししていく。
なんとか福島でやりたいこと。毎週通っている今の福島の現状や雑感。そして放射能の危険性。
2010年の年末に「全国でやろうぜ!」とジャパンツアーを企画していたときとは全く違う空気感。
やりたい。でもそれは皆を巻き込むことになる。無理はしてほしくない。でもやりたい。
そんな複雑の心境をカタヨセは静かに、でも下手するとわーって泣き出しちゃうんじゃないか?っていうような雰囲気で(ワタリの主観だけどね)語り、そして「最終的にはロクディム一人一人が自分で判断してほしい」と締めくくった。
他のメンバーはそのときどう考えたか?それはわからない。
でも皆、即決だった。
「いくよ。いこう」
ヒロシが行きたいって想いを伝えた。
顔にはそんなに出ない人だけど、もうだだ漏れていく色々がしっかりと届いた。
福島でライブを実現するには乗り越えないといけないことがたくさんあるんだろう。
でもそんなのは問題じゃないように思えた。
皆がまっすぐに「いく」という言葉にカタヨセの目頭が熱くなっているように見えたのはワタリだけだろうか。
ということでロクディムのジャパンツアー・プロジェクトの第一弾は福島に決定。
時期は2011年6月。
ロクディムの旅がスタートする。