南大東島小中学校のみんなとロクディム+平田理

「おじゃりやれ」「あばよーい」

南大東島公演を終えたロクディムと平田理

南大東島での公演が終わった。

子どもから大人まで、南大東の人たちと一緒に笑った。
拍手と、歓声と、ちょっぴりのシャイを、ぎゅっとまとめて抱きしめて、腹を抱えて大笑い。
いやあ、本当にたくさん笑って、拍手して、声を出した。
滞在した3日間は快晴で、海は青くきらめて、海風が気持ちよく肌を撫でた。

本当に本当に、素晴らしい時間だった。
別れの握手は、ぎゅっと固く握り合った。

南大東島・北港からの海

南大東村立南大東小中学校は島唯一の学校で小中一貫校だ。
子どもも大人もみんな顔見知り、まるで大きな家族だ。
島には信号が1つだけ。小中学校の前にある。島の子どもたちの勉強のためにあるのだと教えてもらった。

南大東島小中学校

南大東島は島の周囲が断崖絶壁になっていたため上陸することも儘ならず、1900年から本格的な開拓が始まった。
八丈島出身の人々が開梱し、その後、沖縄の島や各地から移ってきた人たちもいて文化も交じり、いわゆる「チャンプルー文化」となったそうだ。沖縄では珍しい「神社」「お寺」「お地蔵さん」があり、お祭りでは「法被」を着てお神輿を担ぐので、一般的な沖縄のイメージとは一味違う、南大東島独自の文化が面白かった。

南大東島・サトウキビ畑

島の基幹産業はサトウキビ。昔は収穫したサトウキビを製糖工場へ運ぶための列車「シュガートレイン」が島を巡っていたが今はトラックでの運搬が主となっているそうだ。ふるさと文化センターのDVDや島の年表を見ながら島の歴史を教えてもらった。

南大東島・星野洞

また、自然も豊かで神秘的。バリバリ岩や星野洞では、圧倒的な地球の雄大さを体感。時間のスケールの大きさに人間のちっぽけさ感じつつ、今ここに生かされていることの感謝を感じた。もう、人の一生なんて一瞬です。

南大東島・バリバリ岩

海軍棒プール、日の丸山展望台、西港、北港、南大東漁港、塩屋海岸プール、大東神社、などを案内してもらい、大東そば、大東寿司、新鮮な刺身と海の幸をいただいた。
南大東島という独自な環境で生きていくための、知恵や喜び、挑戦の歴史と、それらが受け継がれていることやその想いを感じた。

南大東島・海軍棒プール

そして、南大東島には高校がない。

15歳になり中学校を卒業し、進学する場合は島を出なければならない。
これまで一緒に過ごしてきた家族と、家族のように過ごしたてきた友達や島のみんなとの別れだ。
自分の道を進む大きな一歩、大きな変化であり外の世界への旅立ちだ。

公演前から小学生たちは元気いっぱい。エネルギーを発散させるように、いつもエネルギッシュだった。
中学生たちは大人しい感じもあり、エネルギーを内に秘めるというか、外に出さないというか。でも、こちらが一歩踏み込めば、それに対してきちんと返してくれた。

終演後、バラシをして校長室へ戻る途中、中学生のクラスが見えた。
窓越しに見える教室からさっきまで大人しめだった中学生が笑顔で手を振ってきた。
男子も女子も笑顔で、じゃれあいながら笑顔でこちらへ手を振っていた。
僕たちも手を振り返した。

南大東島小中学校のみんなとロクディム+平田理

元気いっぱいな小学生たちの手前、大人っぽく、大人しめにしていたのかなあ。確かに、「大人しい」とは「大人らしい」ということだし。子どもと大人の境界とも言える中学生たちが、僕たちの表現活動を見てくれて、それに対して返してくれたことがとても嬉しかった。

小学生&中学生の子どもたちと(前半は幼稚園生も!)保護者、先生などの学校関係者、ほとんど全員が初めてみる即興芝居×即興コメディ。タイトルは「自分と故郷に誇りを持って この瞬間を一緒に笑おう」

南大東島・ロクディム+平田理の公演の横断幕

今年4月に久米島でおこなった公演に共に出演してくれた平田理ことサムちゃんがきっかけで、先輩である「たけやん」が住む南大東島の小中学校のPTAイベントで公演ができないかという話をいただき、PTAの保護者会長、副会長の力添えをいただき、学校の協力をいただいて実現した今回。

「子どもがあんなに喜んで反応することなんてない!びっくりした」

「こどもたちみんな笑顔で、大笑いしていた」

「先生である私たちも、次どうなるんだ!?と引き込まれました」

「もっと親にも見てもらいたかった。大人にも、コミュニケーションを考えるいい機会になる」

「今度は、子ども向けの回で学校で、大人向けの回で別会場で、やりましょう!」

「即興芝居ってどういうものか、事前に聞いていてもわからなかったが、見てみたら、こういうことかと!楽しかった!」

「島を出た時に、コミュニケーションの大切さや、多くの人と出会って関わり合っていくということを、今回の公演をとおして楽しみながら感じてくれたと思う」

僕が見て、聞いて、話して、触れた、南大東島。

空港に着いたら「おじゃりやれ」の横断幕で迎えてくれて、空港を出る時には「あばよーい」の横断幕で見送ってくれた。
ありがとう。またやりましょう!

追伸:サムちゃんが久米島出身ということで、ヒージャーの刺身もいただいたし、ヒージャーの睾丸もいただきました。

南大東島・別れの集合写真

あばよーい!

南大東島空港・あばよーいの横断幕