頭の中のタイムライン

ロクディム 第19回 東京単独ライブ「玄天改軌」が終わって1週間が経った2021年9月11日。

新型コロナウイルスワクチンの2回目の摂取をしてきた。

僕が住む鎌倉市では、いくつかある集団接種会場から(予約が空いていれば)選べるようになっていて、僕は鎌倉市役所本庁舎で摂取することにした。

17時ちょうどくらいに市役所に着き、手指消毒をして中に入ると非接触型の体温測定機(家庭用インターフォンのようなサーマルカメラ付検温)で自動検温される。

画面に映る自分の顔は、グレーのキャップを被って白い不織布マスク着用の姿。
露出しているのは、首回りと目の周りのみ。

これでよく検温できるな。っていうかこの姿、不審者でしょ、これ、と思うのはコロナ以前の世界の話。現代はこの方が多くの人が安心するのだ。

スクリーンに映った不審者ではない僕は、検温機に「36.5度」と言われ、市役所へ入る資格を与えられた。しかし、市役所内部に入るには対面でのチェックも必要になる。今はまだ全てがオートメーションになっていない時代、ところどころで人によるチェックが入る。

比較的、年齢を重ねていらっしゃる男性、おそらく僕の父親世代の方が、インフォグラフィックで表現されたボード(A4のコピー用紙だったかな?)を僕に見せながら、「私はコロナに感染していません(体調が悪くありません)」を指差す。

男性「体調大丈夫ですか?」
僕 「はい、大丈夫です」
男性(無言でうなずく)

これで対面チェックも無事に通過、晴れて鎌倉市役所への入所が許可された!

そこからはとてもスムーズ。
市役所の方や保健所の方、医療関係者の方々(他にも色々な方がいらっしゃるのかな)の本当に素晴らしい連携で、市役所に入って7分で摂取完了。

接種後、接種を受けた日付・場所と接種したワクチンの情報が記載された接種済証を受け取り、15分の経過観察をしてからお帰りくださいということで「17:22まで」市役所の中で用意された経過観察エリアでひと休み。

距離を置いて配置されている椅子や、隣には座れないように白い紐で×印に縛られているソファが置かれた市役所の一角は市議会の議場の廊下だろうか、換気のために解放されているドアの奥にそんなような室内が見えた。

何事もなく15分が経過し、ソファから立ち上がる。

「大丈夫ですか?お気をつけてお帰りください」

と声をかけてくれるマスク姿のスタッフは消毒用のスプレーと雑巾を持っていて、僕が去った後に座っていたソファを消毒するのだ。

1階の出入り口へ続く上品に湾曲した階段(議会階段)を降りると守衛室があり、守衛さんがガラスの向こうから会釈をしてくれる。こちらも頭を下げて、休日夜間出入り口から外へ出る。

暑さが戻ってきた1日の夕暮れを感じる風がすーっと吹いてくる。
さあ、図書館へ行こう。
明日は熱が出るかもしれない。出かけられないしきっと暇を持て余す。
最近、ふと気になっている向田邦子さんのエッセイが読みたい。
そう思い、図書館へ向かったが、道すがら「9月いっぱいは耐震工事のため休館します」という張り紙を見つけて、引き返す。

これが今日のタイムラインだ。

その後、帰宅。
途中にしていた「玄天改軌」の編集の続きをして、ご飯を食べて、あっという間に22時。

少しずつ左腕に痛みを感じるようになってきた。1回目の時も腕の痛みがあったので、そんなものだろうと思い、今日は早寝をしようと23時過ぎには布団に入る。

ここ最近、涼しい日が続いていたけど今日は夏が戻ったような陽気で久しぶりにクーラーをつけて寝やすくしよう。ワクチンも打ったことだし。

布団の中で今日あったことを思い出しながらうとうと。
うとうと…。
うと…

僕は「玄天改軌」の編集をしている。
あれ、こんなシーンあったっけ?
あれ、こんな映像撮ってたっけ?
あれ、こんな編集画面あったっけ?
あれれ、あれれ?
でもやらなきゃ。
でも、あれれ?

・・・夢だった。

夢の中でも編集かよ、と思い、時計を見ると、うとうとしてから2時間が経過していた。もう一度寝た。

僕は「玄天改軌」の編集をしている。
あれ、こんなシーンあったっけ?
でも繋げないと。
音声と映像の同期をとらないと。
音声と映像の同期をとらないと。
でも、あれれ?

・・・夢だった。

これは、あれだな。
もう寝るのをやめよう。
布団の中で体を動かすと左腕が少し痛む。特に熱はないようだ。それは一安心。

そして、このブログをまだ書いていないことを思い出し、のそのそと布団から這い出て愛機MacBookProで書きはじめた。

寝ようとしても夢の中に編集タイムラインが出てくるんだから。
寝れないよ。
だからこうして、今日1日のタイムラインを思い出している。

書いておけば未来のいつの日か、こんなことがあったな、と思い出せるだろう。
僕たちの生きている世界はタイムラインで続いていく。