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クラウドファンディングへの想い:カタヨセヒロシ

プロローグ

2017年11月26日、ロクディムで訪れた宮城県大崎市で見た虹を思い出す。西側の地面からすうっと空へ伸び、美しい弧を描いて東の地面へすとんと落ちる完璧な虹の姿。あの時の感動が今でも印象深く残っている。

その日の朝から夕方まで、ほとんどの時間、虹は姿を消さず青空の中に堂々と輝いていた。移動して用事を済ませて空を見上げる度、頭上に広がるその虹を目にすることができた。

それから数ヶ月が経ち、ロクディムの稽古&ミーティングで「全国縦断ツアー」のツアータイトルを決めようとなった時、僕の頭の中にその風景が浮かんだ。

天気や光や水蒸気など様々な要素・偶然が重なって、普段当たり前に目にしている風景に突然現れる色鮮やかで奇跡のような自然現象。

即興の楽しさ・嬉しさ・興味深さを日本各地へ「虹をかけるよう」に、地域を越えて「橋をかけるよう」に届けたいという思いに「似合っている」と感じた。

─ロクディム道中記「6-dim+ RAINBOW TOUR 2018 のはじまり」より─

自己紹介

なにかのきっかけでこの文章に目を留めてくれた方、ありがとうございます。

初めましての方もいらっしゃると思うので自己紹介させていただきます。
僕は福島県いわき市出身・鎌倉在住、ロクディムの共同主宰の「カタヨセヒロシ」(AB型)です。

僕が共同主宰をする「ロクディム」は、即興で芝居・コメディを行う「即興パフォーマンス」を日本各地で展開しているパフォーマンス集団です。

メンバーは男6人。

・長野県佐久市出身・B型【子どもと女性が大好き】「りょーちん」
・埼玉県出身・名古屋在住【こだわるポイントが独特】「名古屋淳(本名)」AB型
・千葉県柏市出身・AB型【最近女性役が多い】「小田篤史」
・北海道出身・B型【昭和のイケメン】「宍戸勇介」
・同じく共同主宰であり奄美大島生まれ・兵庫県育ち・B型【日本各地を股にかける即興遊戯者】「渡猛」(わたりたけし)

というメンバー編成です。

ロクディム:アーティスト写真S

ロクディムの合言葉「この瞬間を一緒に笑おう。」

ロクディムがやっているのは「即興芝居×即興コメディ」。

通常のお芝居や演劇にあるような「台本」や「あらすじ」を用意せず、「即興」で「その場」で演じながら「芝居・物語」を紡いでいくそれは、自分の「言葉(セリフ)・行動」によって物語が大きく動いていきます。

会場のお客さんに「あるセリフ」を書いてもらい、それを集めて舞台上で使うことで舞台と客席が一体となるライブ感溢れる公演を行います。

「先が決まっていないこと」は、未知であり、不安定であり、可能性に満ちた世界です。

その世界で何を創造するか?
それは他の誰でもなく自分次第です。
自分の言ったことやったことが世界の輪郭を描き出します。

積極的に大胆な選択・行動をとることもできるし、消極的に何も起こらないような選択・行動をとることもできます。

普段の人生なら、自分の思い通りにいかないことやハプニングは遠慮したいコトかもしれません。
でも、ロクディムの即興芝居×即興コメディではそれこそが「笑いの種」「金の卵」になります。

「今」の選択・行動の結果が「物語」となり紡がれていきます。
ロクディムは「今、起こっていること」にフォーカスし、それをコメディとして表現していきます。

願わくば、失敗や成功を恐れず、前向きに自らが望む未来をクリエイトしていこう。
「かけがえのない今という瞬間」の豊かさを、笑いや楽しみを共に実感しながら生きていこう。

もちろん「笑えない時間」があることも知っています。

つらく悲しい時間や日々、もう一生笑えないと思ってしまう時もあるかもしれません。その時はそれでいいのだと思います。この世界でかけがえのない自分自身の感じていることを否定してはいけないと思います。誰かから強制される自分ではなく、自分自身であるために。

その上で、諦めずに、いつかまた「笑えるように」と思います。

筋書きのない即興芝居がいつかエンディングを迎えるように、僕たちの「人生ドラマ」も結末を迎えるでしょう。かけがえのない自分の人生ドラマ。

今、この瞬間にある生命の嬉しさや楽しさ、面白さや喜び、人生の素晴らしさを、一緒に笑い合おう。僕たちロクディムはそういうことも想いながら、「即興芝居」の可能性を信じて活動をしています。

とはいえ、楽しい!笑った!と言ってもらえることが嬉しいんです。

ちょっと上では「いいことっぽいこと」書きましたが(全然本気なんですけど)、それよりも何よりも、楽しい!笑った!と言ってもらえることが嬉しいです。

全国縦断ツアー第1弾として6/6〜10に実施した「@浅草九劇」の公演アンケート、193名の公演の感想を一挙公開しているのですが、いくつか抜粋してみると…

今回もたくさん笑わせていただきました!とっても楽しかったです。即興の盛り上がりは他に代えられないですね【20代・学生】

すーっごく楽しかったです。ずっと笑っていました。なんか分からないけど愛であふれていて温かいステージでした。とにかくみんな多才!素敵でした。また観に行きます。【20代・ダンサー】

ずっと見たいと思っていてやっと来れました♡とっても楽しかったです♡子連れなのでちゃんと見れるか不安でしたが子ども達も楽しかったようです♡非日常の幸せな世界に連れていってくれてありがとうございました。また絶対来ます【30代・主婦】

めちゃくちゃ笑いました!!そして演劇の血が煮えたぎりました。みんな信頼し合ってるのが伝わってきてどんなシーンでもどんな状況になっても物語を紡いでいく!という気持ちが見えました【30代・パート】

笑いすぎてわらいすぎて顔が痛い。笑いもあるのに涙もポロリと出る。自信をもって友達に太鼓判を押してオススメできるロクディム大好きです【40代・保育士】

大変楽しませて下さいましてありがとうございました。おかしくてずっと笑い涙をふきっぱなしでした【50代・会社員】

面白かったのは当たり前。それ以上に伝わってくるものがありました。ありがとうございました【70代】

(→ 全ての感想はコチラからみることができます)

その場で、一緒になって、笑い合い楽しめる即興芝居×即興コメディ体験を届けたい!
それが、少しずつこうして形になっていることが、たまらなく嬉しいです。

本当に、1人でも多くの方に見てもらいたい。体験してもらいたい。
(僕はさておき)ロクディムのメンバーの個性や魅力を会場で実際に楽しんでほしいんです。

ロクディム初の全国縦断ツアー「RAINBOW TOUR 2018」

そして今、ロクディムは初めてとなるクラウドファンディングに挑戦しています【期間:6/6〜8/4】

このクラウドファンディングは「新感覚ライブ!?即興芝居×即興コメディを全国に届けます!」というプロジェクトです。

「ロクディムの『即興芝居×即興コメディ』の面白さや魅力を多くの人に知ってほしいという想いから、東京のみで行ってきた『単独ライブ』を全国の劇場・ホールへ届けるロクディム全国縦断ツアー「RAINBOW TOUR2018」を開催する」

という趣旨で4都市5会場15公演で行います。これまでに90人以上の方から目標の73%となる73万円超のご支援をいただいています。本当にありがとうございます。

詳細についてはプロジェクトページにまとめているのでよければぜひ覗いてみて下さい。(→コチラから開きます)

また、そこには載せきれなかったメンバーそれぞれの想いもありました。それを知ってもらいたいということで、この「メンバーそれぞれのクラウドファンディングへの想い」を連載することにしました。

プロジェクトページに書いていない個人的な想い

今回のプロジェクトに関して、個人的な想いというか経験として、こんなことを想っています。

ロクディムが各地へ出かけるようになったのは東日本大震災から

ロクディムが初めて「出かけて」公演をおこなったのが2011年6月、僕の地元である福島県いわき市・東日本大震災の3ヶ月後でした。

想定外の大きな地震と津波、そして東京電力福島第一原子力発電所事故。
この時、僕は初めて福島に原発が10基もあったことを知りました(第一に6基、第二に4基)。

震災当初は、何が正しい情報なのかが分からず色々な物事が錯綜し、ただただ混乱していたあの時を思い出すと、今でも胸の奥がヒリヒリします。

福島県では原発からの距離に応じた避難対象地域に避難指示が出され、実家のあるいわき市でも屋内退避の指示が出ました。

「用がなければできるだけ外出しないようにして、外出する時は帽子やマスクをして帰ってきたら玄関に大きなビニール袋を用意しておいて、着ていた服を入れて捨てるんだって。でも、水道が止まってるんだから給水車が来たら水をもらいに出なきゃならないのよ」

と、笑いながら言う母の声を、胸の奥に広がるヒリヒリを感じながら聞いていました。

鎌倉で、東京で、思ったこと、感じたこと


停電した鎌倉・小町通り(2011/03/11 撮影)

その頃、神奈川県・鎌倉に住んでいた僕は、停電や電話がつながりづらい状況もあり、スマホやパソコン等のインターネットを頼りに情報収集をしました。

最新情報をtwitter調べ、skypeで通話し(携帯電話や一般電話が繋がりづらい状況も続いていました)、テレビでは放送されない東京電力や首相官邸の記者会見をニコニコ動画で見ていました。

テレビの中に映し出される状況を見ながら、
何も出来ない、無力さ
を感じていました。

あの時、多くの人が感じたことだと思います。
人間の無力さ。
自然の脅威。
かけがえのない日常。
大切な人の安全と安心。
そして、いのちの大切さ。

ロクディムは震災の翌日に東京・経堂でイベント出演がありました。
開催すること自体も考えたのですが、ひとりでもお客さんが来てくれるならということで実施。終演後にひとりの女性のお客さんが言った言葉がありました。

「夜になるにつれて節電で街が暗くなって、1人暮らしだからどんどん寂しくなって怖くなって。でも、ここにきて良かった。笑っている時、地震のことを忘れられました。ありがとう」

東京には東京の震災がありました。
そして、彼女の言葉が僕の胸の奥にあるヒリヒリを小さくしてくれたのを感じました。

できること、も、ある

それから数日後。
ニュースなどで有名人が避難所を訪れて炊き出しをしたり、音楽家が歌や音楽を届ける姿を目にしながら、僕やロクディムは何が出来るだろう?と考えました。

身体を休める場所や必要な食事があること。
こころに寄り添う音楽や歌があること。
そして、ぐっと腹に力を入れて、大きい声で笑えること。
笑いには、笑いだからこそ、できることがある。

そのタイミングが来ることを信じ、願い、ロクディムのメンバーで集まった稽古の時に僕は提案しました。

「いわきでやりたい。福島でやりたい」
「ヒロシが言うんだったら、やろう」

細かいことを聞かずに、僕の気持ちや想いを正面から受け止めてくれ、即答してくれたロクディムのメンバー。

何も出来ない、じゃなく。
出来るかどうか、じゃなく。
やる。

即興パフォーマンスでいつも大切にしていることが、そこにはありました。
それから僕はいわきでパフォーマンスを実施するための準備を始めました。

この文章は2016年にロクディムとして出演した「いわき演劇祭2016」に併せて書いたものです。そうして、2011年に2回公演を実施、その後もイベントや演劇祭の出演などで声をかけてもらい、今も継続的に公演や出演をしています。

そして今回の「全国縦断ツアー」で表現したいこと、伝えたいことは、正にこれです。

何も出来ない、じゃなく。
出来るかどうか、じゃなく。
やる。

【全文はこちら】→ ロクディム、再び福島いわきへ。いわき演劇祭2016へ向けてのカタヨセヒロシの想い

微力かもしれないけど
無力じゃない

即興芝居では、自分たちで自分たちの物語をつくっていきます。
一人ひとりのアイディアは小さいものかもしれないけれど、それが重なり合っていくと、大きくうねり、物語が動いていきます。
突飛なことをする必要はなくて、自分の「素直な遊び心」「真剣」に表現していきます。

自分の行動によって物語が変わること。
それは、自分には物語を変える力がある、ということでもあります。

「僕たちは微力かもしれないけど無力じゃない」

自分と他者には当たり前に違いがある。それを活かし合いつつ(勿論、時には衝突もしつつ)、失敗を恐れずに自分で行動し自分の望む未来を作ろうと行動していく、そんなこんなを、笑いと共に体験できる公演を届けたいと思っています。

エピローグ

2018年はロクディム結成10周年という節目の年であり、これまでよりも「多くの人へ」即興芝居×即興コメディを知ってほしい・触れてほしい・楽しんでほしい、そのためにロクディム全員集合した6人と、即興のシーンに呼応する即興音楽と、空間をドラマチックに照らす即興照明の「フルメンバーの公演を届けたい」そういう思いが色々と絡み合って全国縦断ツアー「RAINBOW TOUR 2018」が生まれた。

また、虹から連想されたのはピンク・フロイドのCD「狂気」のジャケットだった。直進する光がプリズムによって屈折・反射して、虹が姿を現す。僕はこの「屈折・反射」をいい意味で「前向きに」捉えることがロクディムの即興と似ていると考える。

僕自身、これまで真っ直ぐに生きてきたわけではなくて(当たり前だけど)それなりに傷を負い屈折して生きてきた。この傷や屈折があるからこそ今の僕があり、それは個性とも言える(かもしれない)僕の要素になっている。

勿論、傷や屈折の度合いもあるし全てのそれが個性になるなんて乱暴な言い方はできないししないけど「過去の経験から今の自分がある」と言える部分はあるだろう。

ロクディムはお互いのそれを活かし合い・遊び合い即興表現へと繋げていく。

未知なる未来が自分達の望む現実へ繋がるよう「行動・表現」しながら紡がれる時、お互いの色々が絡み合い混ざり合った時、どんな物語が生まれるか?

きっとそこには、自分にとっての当たり前が特別で奇跡のように輝く世界が広がっている。

─ロクディム道中記「6-dim+ RAINBOW TOUR 2018 のはじまり」より─


よろしければクラウドファンディングの詳細をご覧ください。